
警備員は楽そう?
でも実際は・・・
楽じゃない?
そもそも仕事を「楽そう」か「楽じゃない」か?
・・・で選ぶこと自体が問題だとは考えますが現実問題として現役の警備員が本音で暴露していきますね
「警備員は楽そう」というイメージ
多くの人が警備員に対して「座って見ているだけ」「暇そう」「ルーティンワークで楽そう」といったイメージを抱きがちです(施設警備員の場合です)
確かに、のんびりとした印象を与えるかもしれません
しかし、これはあくまで一面に過ぎません
表面的な「静けさ」の裏側
警備の現場は、一見すると静かで何事も起こっていないように見えることが多いです。
これが「楽そう」というイメージに繋がるのでしょう。
しかし、この「静けさ」こそが警備員の最大の成果であり、その裏では絶え間ない警戒と集中が求められています。
- 異常の早期発見: 異常事態が発生しないよう、常に五感を研ぎ澄ませ、小さな変化にも気づけるよう集中しています。不審な人物、異音、異臭、設備の異常など、日々のルーティンの中に潜む小さな「異変」を見逃さないためには、高い集中力と観察力が必要です。
- 「何もない」ことの維持: 何事もなく一日が終わることが警備員の理想です。しかし、そのためには、地道な巡回、監視、出入管理といった業務を正確にこなす必要があります。「何もない」状態を維持するために、警備員は常に気を張っているのです。
見えないプレッシャーと責任
警備員は、施設や人々の安全を守るという非常に大きな責任を負っています。
- 「何かあったら」という重圧: 万が一、盗難や火災、不審者侵入などの事態が発生すれば、警備員の初動対応が被害の大小を左右します。常に「何かあったらどうしよう」という見えないプレッシャーの中で業務にあたっています。
- ルーティンワークの精度: たとえ単調に見えるルーティンワークであっても、その一つ一つを正確にこなすことが求められます。例えば、記録の不備や確認漏れが、後で大きな問題に発展する可能性もあります。
体力的な負担
座り仕事ばかりではありません。
特に施設警備では、広大な敷地内を巡回したり、長時間立ちっぱなしで立哨(りっしょう)を行うことも多々あります。
- 巡回業務: 商業施設やオフィスビル、工場など、規模の大きな施設では、一日何キロも歩いて巡回する現場も珍しくありません。
- 立哨業務: イベント会場や施設のエントランスなどでは、何時間も立ちっぱなしで警戒にあたります。足腰への負担は相当なものです。
- 夜勤の肉体的・精神的負担: 24時間体制の警備では、夜勤は避けられません。体内時計が狂うことによる体調不良、睡眠不足、集中力の低下などは、肉体的にも精神的にも大きな負担となります。
警備員の仕事「実際は楽じゃない」
警備員の仕事が「楽じゃない」と言われる具体的な理由を、さらに深掘りしていきましょう。
不規則な勤務体系とプライベートへの影響
多くの警備現場は24時間稼働しているため、シフト制勤務が基本です。
- 夜勤・宿直の常態化: 特に夜勤や泊まり込みの宿直勤務は、心身への負担が大きいです。夜勤明けにすぐ寝付けず、昼夜逆転の生活が定着してしまう人も少なくありません。
- プライベートの制約: 家族や友人との予定を合わせにくく、趣味や習い事など、プライベートの時間を確保しづらいと感じる人も多いです。連休が取りにくい、希望休が通りにくいといった悩みもよく聞かれます。
給与水準と昇給の難しさ
多くの警備員の給与は、他の業種と比較して決して高いとは言えません。
- 低賃金スタート: 未経験で警備業界に入る場合、最低賃金に近い給与からのスタートになることも珍しくありません。
- 昇給の頭打ち: 役職が少なく、明確なキャリアパスが用意されていない会社では、どれだけ長く勤めても給与が大幅に上がることは期待しにくいのが現状です。これは、モチベーションの維持を難しくする大きな要因となります。
- 資格手当の限界: 警備業務に関する資格(施設警備業務検定など)を取得すれば手当がつくこともありますが、それが劇的な給与アップに繋がることは稀です。
人間関係の複雑さと孤立感
警備の現場は、少人数で長時間過ごすことが多く、人間関係が密になりがちです。
- 閉鎖的な環境: 同じメンバーと顔を合わせる時間が長いため、一度人間関係がこじれると非常にストレスになります。特定の人間関係が原因で退職を選ぶ人も少なくありません。
- 高齢化と世代間ギャップ: 警備業界は比較的高齢の方が多い傾向にあります。若手とベテランの間で価値観や仕事の進め方に対するギャップが生じ、コミュニケーションが円滑に進まないケースも見られます。
- 孤独な時間: 一方で、深夜帯の巡回や一人での立哨など、人と会話する機会がほとんどない時間も多く、孤立感を感じやすい人もいます。
業務の単調さと精神的ストレス
毎日同じ場所で同じような業務を繰り返すことは、人によっては大きな精神的負担となります。
- 単調さによる集中力の維持: 変化の少ない業務の中で、いかに集中力を維持し、ミスなく業務をこなすかが求められます。この単調さに耐えられない人もいます。
- クレーム対応: 施設利用者からの問い合わせやクレーム対応も警備員の仕事の一部です。理不尽な内容であっても冷静に対応することが求められ、精神的な負担となることがあります。
- 緊急時のプレッシャー: 普段は静かでも、いざ火災や不審者対応などの緊急事態が発生した際には、冷静かつ迅速な判断と行動が求められます。このプレッシャーは計り知れません。
警備現場の「ハズレ」とは?
警備業界でよく耳にする「ハズレ現場」とは、警備員にとって働きにくく、ストレスが大きい現場のことを指します。具体的な例をいくつか見ていきましょう。
人間関係が最悪な現場
これが最も大きな「ハズレ」要因の一つです。
- パワハラ・モラハラが横行: 上司や先輩からの理不尽な叱責、いじめ、嫌がらせなどがある職場は、精神的に追い詰められ、早期退職に繋がりやすいです。
- 陰湿な雰囲気: 特定の派閥があったり、仲間外れが存在したりと、職場の雰囲気が悪い現場は、働くモチベーションを著しく低下させます。
- 情報共有不足・連携不足: 隊員同士の連携が取れていない、重要な情報が共有されない現場は、業務に支障をきたし、事故やトラブルの原因にもなります。
過酷な労働環境の現場
身体的・精神的に大きな負担がかかる現場も「ハズレ」と言えます。
- 休憩が取れない・休憩室がない: 休憩時間が十分に確保されない、または休憩できる場所がない現場は、体力を消耗し、疲労が蓄積します。
- 劣悪な待機場所: 夏は猛暑、冬は極寒の場所での待機や、設備が老朽化して快適に過ごせない待機場所もストレス要因です。
- 人員不足による多忙: 常に人手が足りず、休みが取りにくい、連勤が続く、残業が常態化している現場は、肉体的にも精神的にも限界に達しやすいです。
- 無理なシフト: 希望を考慮されず、体調を崩すような無理なシフトを組まれる現場も「ハズレ」です。
不明瞭な評価・給与体系の現場
頑張りが正当に評価されない、または給与が低い現場も不満が溜まります。
- サービス残業の常態化: 残業代が支払われない、または不当にカットされる現場は、違法性があり、早急な転職を検討すべきです。
- 正当な評価がない: どんなに頑張っても給与や役職に反映されない、昇給の基準が不明瞭な現場では、働く意欲が低下します。
クレームが多い・危険な現場
精神的な負担が大きい現場も「ハズレ」に分類されます。
- 利用者からのクレームが多い施設: 商業施設などでは、日々多くの利用者と接するため、理不尽なクレームを受ける機会も増えます。これに適切に対応し続けることは精神的に疲弊します。
- 犯罪発生率が高い地域・施設: 盗難や不審者侵入が多い、あるいは暴力的な事案が発生しやすい現場は、常に緊張感を強いられ、危険と隣り合わせです。
警備員の「勝ち組」って居るの?
「ハズレ」がある一方で、警備員として充実したキャリアを築き、「勝ち組」と呼ばれる人たちも確かに存在します。彼らはどのような警備員なのでしょうか。
大手警備会社で働く警備員
やはり、大手警備会社は「勝ち組」への近道と言えるでしょう。
- 安定した給与と福利厚生: 大手企業は、中小企業と比較して給与水準が高く、各種手当や退職金制度、福利厚生(社員寮、保養施設など)が充実している傾向にあります。
- 教育・研修制度の充実: 充実した研修制度があり、未経験からでも安心してスタートできる環境が整っています。定期的なスキルアップ研修も用意されていることが多いです。
- キャリアパスの明確化: 隊長、副隊長、指導教育責任者など、昇進の道筋が明確で、努力次第でキャリアアップが可能です。将来的には、内勤職(営業、総務、人事など)への異動のチャンスもあります。
- 多様な現場経験: 大規模な施設からイベント警備まで、様々な現場を経験することで、幅広い知識とスキルを身につけることができます。
特定のスキルや専門性を高めた警備員
警備の中でも、特定のスキルを磨き、専門性を高めることで「勝ち組」になれます。
- 空港警備・原子力施設警備: 高い専門性と責任が求められるため、給与水準も比較的高く設定されています。
- 施設警備業務検定1級・2級保持者: 警備業務に関する国家資格であり、特に1級は希少性が高く、資格手当やキャリアアップに有利に働きます。
- 防災センター要員: 防災設備に関する知識や操作スキルを持つ人材は重宝されます。
- マネジメント能力を身につけた警備員: 隊長として現場をまとめたり、後輩の指導育成をしたりする能力は、キャリアアップに直結します。
人間関係を良好に築ける警備員
どんな職場においても重要ですが、警備業界では特に良好な人間関係が「勝ち組」の条件となります。
- コミュニケーション能力が高い: 協調性があり、上司・同僚・関係者と円滑なコミュニケーションを取れる人は、ストレスなく働くことができ、職場の雰囲気を良くします。
- 問題解決能力がある: 隊員間のトラブルを仲裁したり、業務上の問題を円滑に解決したりできる人は、周囲から信頼されます。
- 前向きな姿勢: 困難な状況でもポジティブに捉え、積極的に業務に取り組む姿勢は、周囲にも良い影響を与え、自身の評価も高めます。
体力・精神力を維持できる警備員
長く働き続けるためには、自身の健康管理が非常に重要です。
- 自己管理能力が高い: 不規則な勤務の中でも、食事、睡眠、運動に気を配り、自身の体調を良好に保てる人は、安定して長く働くことができます。
- ストレス耐性が高い: 単調な業務や緊急時のプレッシャーにも動じず、冷静に対応できる精神力は、この仕事で成功するための重要な資質です。
まとめ:警備員は楽じゃないけど楽しい!
警備員の仕事は、「楽そう」というイメージとは裏腹に、高い責任感、集中力、体力、そして精神力が求められる、決して楽ではない仕事です。
特に「ハズレ現場」に当たってしまうと、心身ともに大きな負担を強いられる可能性もあります。
しかし、それはどの仕事にも言えることかもしれません。
重要なのは、警備員の仕事の中から自分なりに「やりがい」を見つけられるか?どうか?
この点に尽きます
まぁ、これは警備員の仕事だけではなくて他の仕事でも同様ですが。
単純な毎日の繰り返しのように見えますが、日々、プレッシャーとの戦いがあるのが警備員の仕事です
どの仕事でも同じですが「やりがい」を見つけられる人は警備員の仕事も「楽しい!」と感じて充実した毎日を過ごせるハズです