施設警備員「やめとけ」と言われる理由は?向いている人の特徴

 私は現在、東京都内で工場の施設警備員をしています

 

実際に施設警備員になる前は周囲から「施設警備員は、やめとけ」と結構言われました

今現在は、施設警備員になって本当に良かったと考えていますが、なぜ

 

「施設警備員、やめとけ」

 

・・・と言われるのでしょうか?

 

この記事では、その理由と

 

  施設警備に向いている人
  施設警備に向いてない人
  離職率が高い理由

・・・に関して深堀していきます

施設警備が「やめとけ」と言われる理由とは?

 施設警備の仕事は、一見するとルーティンワークが多く、楽そうに見えるかもしれません。

 しかし、その裏には、世間で「やめとけ」と言われるような様々な側面が存在します。

 

これらの理由を理解することは、あなたがこの仕事を選ぶ上での重要な判断材料となるでしょう。

 

低い給与水準と昇給の難しさ

 多くの施設警備員の給与は、他の業種と比較して低い傾向にあります。特に未経験からのスタートでは、手取りが生活ギリギリになるケースも少なくありません。

 

  • 業務の性質: 専門的なスキルが求められる機会が少なく、代替がききやすいと見なされがちです。
  • 業界全体の構造: 警備業界全体として、コスト削減の意識が強い企業が多く、人件費が抑えられやすい傾向があります。
  • 昇給の機会: 役職が少なく、昇給の機会も限られているため、モチベーションの維持が難しいと感じる人もいます。長年勤めても大幅な給与アップが見込めないため、将来設計に不安を感じ、転職を考える要因となります。

 

 

シフト制勤務と不規則な生活リズム

 施設警備は24時間体制で運営されることが多く、当然ながら警備員もそれに合わせてシフト制勤務となります。

 

  • 夜勤の負担: 特に夜勤は、身体的な負担が大きく、睡眠リズムが崩れやすいため、体調管理が難しいと感じる人が多くいます。生活習慣病のリスクも高まる可能性があります。
  • プライベートへの影響: 不規則な勤務時間のため、友人や家族との予定を合わせにくく、プライベートの充実が難しいと感じる人もいるでしょう。連休が取りにくい、長期休暇が難しいといった点も不満につながります。
  • 待機時間の長さ: 施設によっては、緊急時以外はほとんど動きがなく、待機時間が長いことがあります。この待機時間の過ごし方に苦痛を感じる人もいます。

 

人間関係の複雑さと閉鎖的な環境

 警備の仕事はチームで行うことが多く、人間関係が業務の質に直結します。

 

  • 閉鎖的な環境: 同じメンバーと長時間過ごすことが多く、人間関係が密になりがちです。一度こじれると修復が難しい場合があります。
  • 年配者が多い職場: 警備業界は比較的高齢の方が多い傾向にあります。世代間のギャップからコミュニケーションがうまくいかない、価値観の違いを感じるといった悩みも聞かれます。
  • ハラスメント問題: ごく一部ではありますが、ハラスメントの問題が発生するケースもゼロではありません。特に小規模な警備会社では、相談窓口が機能していないこともあります。

 


引用元

 

業務内容の単調さと精神的負担

 施設警備の業務は、巡回、立哨、出入管理などが主であり、ルーティンワークが多いです。

 

  • 単調さによる飽き: 毎日同じことの繰り返しで、刺激が少ないと感じる人もいます。この単調さに耐えられないと、モチベーションの低下につながります。
  • 責任の重さ: 何事も起こらないことが一番の成果であるため、一見すると楽に見えますが、何かあった際には大きな責任が伴います。このプレッシャーが精神的な負担となることがあります。
  • 非常時の対応: 万が一の事態(火災、不審者侵入、急病人発生など)が発生した際には、冷静かつ迅速な対応が求められます。普段のルーティンから一転して緊迫した状況に置かれるストレスは少なくありません。

 

施設警備に向いている人とは?

 「やめとけ」という声がある一方で、施設警備は多くの人にとってやりがいのある仕事でもあります。

どのような人がこの仕事に向いているのでしょうか。

 

 

責任感が強く、真面目な人

 施設警備の仕事は、人々の安全と財産を守るという非常に重要な使命を帯びています。

 

  • ルールを遵守できる: 警備には様々な規則やマニュアルが存在します。これらを正確に理解し、確実に実行できる真面目さが必要です。
  • 責任感を持って業務にあたれる: 些細な見落としが大きな事故につながる可能性もあるため、常に責任感を持って業務に取り組める人が向いています。

 

集中力があり、注意力散漫にならない人

 長時間にわたる巡回や立哨では、周囲の状況を常に監視し、異変に気づく集中力が求められます。

 

  • 状況判断能力: 異常事態をいち早く察知し、適切な判断を下せる能力が重要です。
  • 忍耐力: 長時間同じ場所に立ったり、単調な業務を繰り返したりすることに耐えられる忍耐力が必要です。

 

体力に自信があり、健康管理ができる人

 シフト制勤務、特に夜勤や立ち仕事が多い施設警備では、健康な身体が不可欠です。

 

  • 不規則な勤務に対応できる: 夜勤や早朝勤務など、不規則なシフトにも適応できる体力と、自身の体調を管理する能力が求められます。
  • 立ち仕事・巡回に耐えられる: 長時間の立ち仕事や、施設内を巡回する体力が必要です。

 

コミュニケーション能力がある人(特に報告・連絡・相談)

 警備の仕事は孤独に見えるかもしれませんが、実際には様々な人との連携が不可欠です。

 

  • 協調性: 他の警備員や施設利用者、関係者など、様々な立場の人と円滑にコミュニケーションをとり、協力して業務を進められる協調性が必要です。
  • 報告・連絡・相談(ホウレンソウ): 異常事態や問題が発生した際には、速やかに上司や関係者に報告・連絡・相談できる能力が非常に重要です。

 

 

冷静沈着で、緊急時に対応できる人

 予期せぬ事態が発生した際に、慌てずに冷静に対処できる精神力が必要です。

 

  • 危機管理能力: 火災、不審者対応、急病人発生など、緊急事態において適切な初動対応ができるかが、被害を最小限に抑える鍵となります。
  • ストレス耐性: 予期せぬ事態や、人からクレームを受けるなど、ストレスのかかる状況でも冷静さを保ち、適切に対処できる耐性も求められます。

施設警備に向いてない人とは?

 逆に、施設警備の仕事にはあまり向いていない人もいます。

自身の適性を見極める上で、以下の項目も参考にしてください。

 

単調な作業が苦手で、刺激を求める人

 

施設警備の多くは、ルーティンワークであり、大きな変化や刺激を求める人にとっては物足りなく感じるかもしれません。

 

  • 飽きっぽい性格: 毎日同じことの繰り返しにすぐに飽きてしまう人は、モチベーションの維持が難しいでしょう。
  • クリエイティブな仕事志向: 創造性を発揮したり、新しいことを企画・実行したりするような仕事を求める人には不向きです。

 

体力に自信がなく、不規則な生活が苦手な人

 夜勤や長時間の立ち仕事は、身体に大きな負担をかけます。

 

  • 体力がない: 長時間立ち続けるのがつらい、夜勤明けに体調を崩しやすいなど、体力に自信がない人はこの仕事で長く続けるのが難しいでしょう。
  • 生活リズムを崩したくない: 規則正しい生活を送りたい、プライベートの時間を重視したいという人には、シフト制勤務は大きな負担となります。

 

細かい作業が苦手で、注意力散漫な人

 警備の仕事は、細かい点まで気を配る必要があります。

 

  • 注意力不足: 巡回中や監視中に異変を見逃してしまうなど、注意力に欠ける人は警備員としての役割を十分に果たせません。
  • 責任感に欠ける: 自分の仕事に責任を持てず、適当に済ませてしまうような人は、警備の仕事には向きません。

 

コミュニケーションをあまり取りたくない人

 一見すると個人作業が多いように思えますが、実際には連携が不可欠です。

 

  • 人と話すのが苦手: 報告・連絡・相談だけでなく、施設利用者や関係者との軽い挨拶なども必要になるため、全く人と話したくない人にはストレスになる可能性があります。
  • チームワークを重視しない: 協調性がなく、自分一人で完結したいと考えている人には、チームで行う警備の仕事は向いていません。

 

高い給与やキャリアアップを強く求める人

 前述の通り、施設警備の給与水準は高くなく、大幅な昇給やキャリアアップの機会も限られています。

 

  • 明確なキャリアパス志向: 将来的にマネジメント職に就きたい、専門スキルを身につけて高収入を得たいといった明確なキャリアパスを描いている人にとっては、不満が募りやすいかもしれません。
  • 成果主義志向: 自分の頑張りが直接的に給与に反映されることを強く求める人には、警備業界の給与体系は満足できない可能性があります。

 

引用元

施設警備の離職率が高い理由

 施設警備業界は、一般的に離職率が高いと言われています。

その背景には、これまで述べてきた「やめとけ」と言われる理由が複合的に絡み合っています。

 

給与と待遇への不満

 最も大きな理由の一つが、給与と待遇への不満です。

 

  • 生活苦: 特に都市部での生活費を考えると、警備員の給与だけでは厳しいと感じる人が多く、より良い条件の職場を求めて転職します。
  • 労働時間と給与のミスマッチ: 長時間労働や夜勤があるにもかかわらず、それに見合った給与が得られないと感じる人も少なくありません。

 

身体的・精神的負担の大きさ

 

不規則なシフトや夜勤、長時間の立ち仕事、そして緊急時の対応などは、身体的・精神的に大きな負担となります。

 

  • 体調不良: 睡眠不足や生活リズムの乱れから体調を崩し、退職せざるを得なくなるケースもあります。
  • ストレス: 異常事態への対応や、単調な業務による飽き、人間関係の悩みなどが積もり積もって、精神的なストレスとなり、離職につながります。

 

キャリアアップの機会の少なさ

 施設警備の仕事は、専門的なスキルを習得する機会が限られており、キャリアパスが見えにくいと感じる人もいます。

 

  • スキルアップの限界: 警備業務に関する資格はいくつかありますが、それが直接的に大幅な給与アップやキャリアアップにつながるケースは稀です。
  • 将来への不安: 将来的なキャリアに対する不安から、全く異なる分野への転職を考える人も多くいます。

 

人間関係の悩み

 閉鎖的な環境や、世代間のギャップなどから生じる人間関係の悩みも、離職の大きな要因となります。

 

  • ハラスメント: パワーハラスメントやモラルハラスメントなどの問題が解決されないまま放置され、退職を選ぶ人もいます。
  • 孤立感: シフト制勤務のため、他の隊員とのコミュニケーションが不足し、孤立感を感じる人もいます。

 

業界全体のイメージとミスマッチ

 警備業界全体に対して、古い体質や労働環境へのネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。

 

  • 入社前のイメージとのギャップ: 入社前に抱いていたイメージと実際の業務内容や待遇に大きなギャップを感じ、早期に退職してしまうケースもあります。
  • 社会的な評価: 警備の仕事が社会的に十分に評価されていないと感じ、やりがいを見出せなくなる人もいます。

施設警備で長く働くためのヒント

 上記のような理由で離職する人が多い一方で、施設警備の仕事に長く従事し、充実感を得ている人もたくさんいます。彼らに共通するのは、この仕事への理解と、自分なりの工夫です。

 

会社の選定を慎重に行う

警備会社は数多く存在し、その待遇や労働環境は大きく異なります。

 

  • 大手警備会社: 大手企業は福利厚生が充実しており、研修制度も整備されている傾向があります。給与水準も比較的高めです。
  • 警備内容の確認: どのような施設(オフィスビル、商業施設、病院、工場など)の警備を担当するのか、具体的な業務内容を事前に確認しましょう。自分の興味や得意分野に合った施設を選ぶことで、モチベーションを維持しやすくなります。
  • 事前に情報収集: 企業の評判や口コミ、実際に働いている人の声などを参考に、慎重に会社を選びましょう。

 

待遇面だけでなく、やりがいを見出す

 給与は重要ですが、それだけでは長く続けることは難しいかもしれません。

 

  • 社会貢献: 人々の安全を守るという、社会貢献性の高い仕事であることに誇りを持つことができれば、やりがいを感じやすくなります。
  • 自己成長: 危機管理能力や状況判断能力など、警備の仕事を通して培われるスキルは、他の仕事でも役立つ汎用性の高いものです。そうした自己成長を意識することも大切です。

 

体力維持と健康管理を徹底する

 不規則な勤務に対応するためには、日頃からの体調管理が欠かせません。

 

  • 規則正しい生活: シフトに合わせて睡眠時間を確保し、バランスの取れた食事を心がけましょう。
  • 適度な運動: 運動習慣を取り入れ、体力を維持することで、身体的負担を軽減できます。

 

コミュニケーションを大切にする

 良好な人間関係は、仕事の継続において非常に重要です。

 

  • 積極的に声かけ: シフトが異なる同僚とも積極的にコミュニケーションを取り、情報共有を密にしましょう。
  • 相談できる相手を見つける: 困ったことや悩みがある場合は、信頼できる上司や同僚に相談することで、一人で抱え込まずに済みます。

 

引用元

まとめ:施設警備「やめとけ」の評価は本人次第

 施設警備の仕事は、確かに「やめとけ」と言われるような側面も持ち合わせています。

 

低い給与水準、不規則な勤務、単調な業務、人間関係の複雑さなどが、離職率の高さにつながっているのは事実です。

 

しかし、これらの側面は、あなたの性格や価値観によっては大きな問題にならない可能性もあります。

 

  • 責任感が強く、真面目な人
  • 集中力があり、忍耐力がある人
  • 体力があり、健康管理ができる人
  • 冷静沈着で、コミュニケーション能力がある人

 

であれば、施設警備の仕事は、社会貢献性が高く、安定した環境で長く働くことができる、やりがいのある仕事となり得ます。

 

重要なのは、自身の適性をしっかりと見極めることです。

 

私は現在、施設警備員として非常に充実した毎日を過ごしています

今後も施設警備だけではなく、警備員の実態に関して現役の警備員として実態を発信していきます

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