
私が警備員の仕事に転職する時に周りに言われたことは
「警備員の仕事は、きついよ」
「警備員だけは、やめとけ」
・・・との言葉ばかりでした
「警備員、良いんじゃない!と言ってくれた知人は皆無でしたね
今回の記事では
・警備員の仕事内容
・警備員の仕事きつい?
・警備員やめとけ!と言われる理由
・・・に関して、なぜそのようなネガティブな意見があるのかについて、詳しく本音で解説していきます。
警備員の仕事内容
警備員の仕事は大きく以下の4つに分類されます。
もちろん警備会社によって業務内容は異なりますが、一般的には下記の仕事内容で全て網羅されています
1号警備業務(施設警備、巡回警備、空港保安警備など)
1号警備業務は、施設内の安全を守ることを目的とした業務です。
最も一般的な警備員のイメージに近いかもしれません。
私は今年から東京都内の工場で警備員をしています。わたしの場合は、この施設警備に該当します
施設警備: オフィスビル、商業施設、病院、学校、工場、イベント会場など、様々な施設に常駐し、不審者の侵入警戒、巡回、受付・出入管理、鍵の管理、防犯カメラの監視、緊急時の対応(火災、盗難、体調不良者など)を行います。施設の規模や特性によって、業務内容は多岐にわたります。例えば、商業施設ではお客様への道案内や落とし物対応なども含まれることがあります
巡回警備: 広大な敷地や複数の施設を定期的に巡回し、異常がないかを確認する業務です。異常を発見した場合は、適切な対応(警察への連絡、施設の管理部門への報告など)を行います。夜間や休日に無人となる施設を担当することが多く、防犯意識の高さが求められます。
次の空港保安業務に関しては、全国の数ある警備会社の中でも受託可能な警備会社は数少ないのが現実です。
つまり業務的には警備業の中でも非常に難しく専門性も求められますから、普通の警備会社では請けにくいのが現状です
現に私の勤務する警備会社も全国的にもトップレベルに位置しますが、この空港保安業務は行っていません。
逆に言うと空港保安業務は非常に専門性が高いので一部のトップレベルの警備会社の独占状態と、なっているのが現実なのです
空港保安警備: 空港内でのテロ対策や不法侵入防止を目的とした警備です。手荷物検査、ボディチェック、制限区域への立ち入り管理など、専門性の高い業務を担います。国際的なテロの脅威が高まる中で、その重要性は増しています
2号警備業務(交通誘導警備、雑踏警備など)
2号警備業務は、人や車両の交通を誘導し、事故や混乱を防ぐことを目的とした業務です。
私たちが日常生活で目にする機会も多いでしょう。
交通誘導警備: 工事現場や道路工事、イベント会場周辺などで、車両や歩行者を安全に誘導します。通行止めの案内、片側交互通行の誘導、工事車両の出入り管理など、交通の流れを円滑に保ち、事故を未然に防ぐ重要な役割を担います。
暑い日も寒い日も屋外での業務が多く、体力と集中力が必要です
通常、警備員=交通誘導員の意味で捉えられることが多いです
良く、街中でも夏の猛暑の中で、冬の激寒の中で交通誘導員を見て
・警備員の仕事きつい!
・警備員やめとけ!
・・・と言われることが多いのです
雑踏警備: お祭り、花火大会、コンサート、スポーツイベントなど、多くの人が集まる場所で、事故やトラブルを防ぎ、円滑なイベント運営をサポートします。
群衆の整理、緊急時の避難誘導、迷子の保護、体調不良者の対応など、多岐にわたる業務を行います。
冷静な判断力と臨機応変な対応が求められます。夏に行われる花火大会・年末年始の参拝客・また今、行われている大阪万博などの警備が該当します
これらの警備は、人が殺到しますから一歩、警備・誘導を間違えると大変な事態と招くことから警備会社としても、非常に気を遣う案件になります
3号警備業務(貴重品運搬警備など)
この仕事も専門性が高いことから普通レベルの警備会社は出来ません。
業務は独占状態になっていて、可能なのはセコムさん・アルソックなどの全国規模・上場企業で全国対応可能な企業に限定されます
3号警備業務は、現金や有価証券、美術品など、貴重品の運搬中に発生する盗難や事故を警戒し、安全を確保する業務です。
貴重品運搬警備: 銀行やATMへの現金輸送、大規模な商業施設からの売上金回収、美術品の運搬などを行います。
複数名の警備員でチームを組み、防弾仕様の車両を使用したり、護身用具を携帯したりすることもあります。
万が一の事態に備え、高い危機管理能力と連携が求められます。
4号警備業務(身辺警備、ボディガードなど)
4号警備業務は、特定の個人の身体や生命の安全を守ることを目的とした業務です。
一般的に「ボディガード」と呼ばれることが多いです。
身辺警備: 著名人、要人、企業幹部など、特定の個人に対する危害を防止し、安全を確保します。
日常生活の移動時やイベント参加時など、常に同行して警護を行います。危険を予測し、未然に防ぐ能力、緊急時には対象者を守るための専門的な技術が求められます。高い判断力と状況認識能力が不可欠です。
警備員の仕事はきつい
警備員の仕事は、社会の安全を守る重要な役割を担っている一方で、「きつい」と感じる側面も少なくありません。
その厳しさは、肉体的なもの、精神的なもの、そして勤務形態によるものなど、多岐にわたります。
肉体的な負担
警備員の仕事は、立ち仕事や屋外での業務が多く、肉体的な負担が大きいことが挙げられます。
長時間労働と立ちっぱなし: 施設警備では、数時間にわたって同じ場所に立ち続けることが頻繁にあります。
特にイベント会場などでは、休憩を挟まずに長時間立つことも珍しくありません。
これにより、足腰に負担がかかり、疲労が蓄積しやすくなります。
夜勤の場合、昼夜逆転の生活が続き、体調を崩す原因にもなりかねません。
屋外での過酷な環境: 交通誘導警備や雑踏警備では、夏の猛暑や冬の厳寒、雨風など、天候に左右されながら屋外で長時間勤務することが常です。
熱中症や低体温症のリスクもあり、体調管理が非常に重要になります。
また、粉塵や騒音といった環境要因も、肉体的な負担を増大させます。
不規則な勤務体系: シフト制勤務が一般的であり、日勤、夜勤、24時間勤務など、不規則な勤務体系になることが多いです。これにより、生活リズムが乱れやすく、プライベートの予定も立てにくいという側面があります。
特に夜勤は、身体への負担が大きいため、慣れるまでに時間がかかる人も少なくありません。
精神的な負担
警備員の仕事は、身体的なきつさだけでなく、精神的な負担も大きいと言えます。
常に緊張感を伴う: 不審者の警戒、緊急時の対応、貴重品の運搬など、常に危険と隣り合わせの状況に身を置くため、高い緊張感と集中力が求められます。
些細な見落としが大きな事故やトラブルにつながる可能性もあるため、気が抜けない状況が続きます。
クレーム対応やトラブル発生: 施設を利用するお客様や通行人からのクレーム、ルールを守らない人との衝突、不審者への対応など、精神的に疲弊する場面に遭遇することもあります。
特に、感情的になっている相手を冷静に対応することは、大きなストレスとなることがあります。
警備員は、単独で配置されることも多く、特に夜間警備などでは孤独を感じやすい環境です。
周囲に人がいない状況で、何かあった場合に一人で対処しなければならないというプレッシャーは、精神的な負担となり得ます。
責任の重さ
警備員は、人々の安全や財産を守るという、非常に責任の重い仕事です。
人命に関わる可能性: 火災や地震などの災害発生時、事件や事故発生時など、緊急事態には、人々の命を守るための迅速かつ的確な判断と行動が求められます。
一瞬の判断ミスが人命に関わる可能性もあるため、その責任は計り知れません。
財産保護の義務: 施設や貴重品の警備においては、盗難や破損から財産を守る義務があります。高価なものや機密性の高いものを扱う場合、その責任の重さは一層増します。
プレッシャー: 上記のような責任の重さから、常にプレッシャーを感じながら業務に当たらなければなりません。特に、大規模なイベントや重要な施設の警備では、そのプレッシャーは計り知れないものとなります。
「警備員だけはやめとけ」と言われる理由
前述した「きつい」と感じる側面に加え、警備員という仕事に対してネガティブなイメージを持つ人がいるのは、いくつかの具体的な理由が挙げられます。
給料が低い傾向にある
警備員の給料は、他の職種と比較して低い傾向にあると言われています。
最低賃金に近い給与水準: 特に未経験者や地方の求人では、最低賃金に近い時給設定のところも少なくありません。労働時間に対して十分な報酬が得られないと感じる人が多いのが現状です。
昇給が見込みにくい: 警備会社によっては、年功序列の昇給制度が確立されていなかったり、役職が少ないために昇進の機会が限られていたりすることがあります。
これにより、長年勤めても給料が上がりにくいという不満につながります。
残業代ありきの給料: 基本給が低めに設定されており、残業代や夜勤手当で手取り額を増やすような給与体系の会社も存在します。
これにより、身体的な負担が大きいにもかかわらず、満足のいく収入が得られないと感じる人もいます。
社会的評価の低さ
警備員の仕事は、社会にとって不可欠な役割を担っているにもかかわらず、その重要性が十分に認識されていないと感じる人もいます。
誰でもできる仕事という誤解: 警備員になるための資格はありますが、未経験でも就業できる求人も多いため、「誰でもできる仕事」という誤解を持たれがちです。
しかし、実際には高い注意力、判断力、コミュニケーション能力など、様々なスキルが求められます。
感謝されにくい: トラブルを未然に防ぐことが仕事であるため、何事もなければその存在価値が認識されにくいという側面があります。
何か問題が起きた際に初めてその重要性が認識されることが多く、普段の努力が評価されにくいと感じる人もいます。
制服に対するイメージ: 一部の人は、警備員の制服に対して「権威的」「威圧的」といったネガティブなイメージを抱くこともあり、それが警備員全体の社会的評価に影響を与える可能性も否定できません。
キャリアアップが見込みにくい
警備員として働き続ける中で、将来のキャリアパスが見えにくいと感じる人もいます。
専門性の向上機会の少なさ: 警備業務は、マニュアルに沿った定型業務が多く、新たなスキルや専門知識を習得する機会が限られている場合があります。
これにより、自身の成長やキャリアアップの可能性を感じにくいという声もあります。
他業種への転職の難しさ: 警備業界での経験が、他の業界で直接的に評価されにくいと感じる人もいるようです。特に、専門的なスキルや資格が少ない場合、転職の際に不利になるという懸念があります。
管理職のポストの少なさ: 警備会社によっては、管理職のポストが少なく、昇進の機会が限られている場合があります。これにより、長く勤めても責任ある立場に就くことが難しいと感じる人もいるでしょう。
人間関係の難しさ
警備員は、様々な人と接する機会が多い仕事であり、人間関係の難しさを感じることもあります。
私が勤務する警備会社も平均年齢は60歳を超えます
私は現在60歳ですが、会社では、まだまだ「若手」と言われています。それくらい警備会社の平均年齢は高いのが現実なんです
そして、警備会社の「平均勤続年数が短い」のは、これに起因してるとも言えます
つまり「人間関係が難しい」のです
これは現実的に現役の警備員だから書ける率直な意見です
御客様との対応は別に難しくは、ないのです
難しいのは「同僚との関係」です
これはまた、別の記事で詳細は書きますが、警備員は「人に教える」ことを嫌います
一概には言えませんが「人に教える」ことを嫌うのは私なりに分析すると
- 教えると仕事を獲られる
- そもそも邪魔臭い
- 人に教えても給料は上がらない
この辺りが原因ですね
ハッキリ書きますが、人間的なレベルが極めて低いのが警備業界なんです
警備対象者との関係: 警備の対象となる施設の利用者やイベントの参加者など、多くの人と接するため、中には理不尽な要求をしてきたり、ルールを守らない人がいたりすることもあります。
同僚や上司との関係: シフト制勤務のため、固定の人間関係を築きにくい場合があります。
また、上下関係が厳しい会社や、ハラスメントが横行しているような職場では、人間関係のストレスが大きくなる可能性があります。
コミュニケーション不足: 特に一人で現場を担当する警備員の場合、他の警備員や上司とのコミュニケーションが不足しがちです。これにより、孤独感を感じたり、困ったときに相談しにくい環境になったりすることもあります。
まとめ:警備員になるには覚悟が必要
警備員の仕事は、確かに「きつい」と感じる側面や、「やめとけ」と言われるようなネガティブな要素が存在します。
そして、警備業界で働く人で「素晴らしい人」は他の業界と比較して正直、少ないのです
それが残念ながら離職率の高さにも表れています
しかしながら、だからこそ「勝ち抜くのは容易」だとも言えます
あなたが、
「人より頑張ってきた自負」
「これから何が何でも頑張る覚悟」
・・・があるならば、私と同じように警備業界に飛び込んで下さい!
人生大逆転!とまでは行かないまでも、警備業界は、人生を逆転する「キッカケ」になる業界です