
「警備員って、ただ立ってるだけでしょ?」
「だから年収も低いんでしょ?」
あなたは、そんな風に思っていませんか?
実は、私も警備員になる「前」は、そのように考えていました
この記事は、当初の私と同じような、あなたの疑問を解消し、警備員の仕事の本当の価値と年収アップの可能性を明らかにします。
警備員の仕事は「立ってるだけ」?
多くの人が抱く「警備員=立ってるだけ」というイメージ。
だから給料も低くて当たり前!とも言われています。
しかし、これは大きな誤解です。
私も実際に警備員になり、その業務の専門性にビックリしましたから。
警備業務は多岐にわたり、状況に応じた高度な判断力と専門知識が求められます。
警備業務の多様性
警備業法で定められた警備業務は、大きく分けて以下の4種類があります。
-
施設警備業務: オフィスビル、商業施設、工場、病院、学校など、特定の施設を警備する仕事です。巡回、監視カメラのチェック、出入管理、施錠確認、緊急対応(火災、不審者、急病人の発見など)を行います。単に「立っている」だけでなく、常に周囲に目を配り、異常の兆候を見逃さない集中力と、有事の際に迅速かつ的確に行動する判断力が求められます。
-
雑踏警備業務・交通誘導警備業務: イベント会場や祭り、建設現場などで、人や車両の誘導を行う仕事です。安全な導線を確保し、事故や混乱を防ぎます。特に交通誘導では、瞬時に状況を判断し、車両と歩行者の安全を守る危険予知能力と、明確な指示を出すコミュニケーション能力が不可欠です。
-
貴重品運搬警備業務: 現金や有価証券、美術品などの貴重品を安全に輸送する仕事です。強盗などの犯罪から対象物を守るため、警備員は特殊な訓練を受け、緊急時には適切な対応を取る必要があります。
-
身辺警備業務(ボディガード): 要人の身辺警護を行う仕事です。常に周囲を警戒し、危険から依頼者を守ります。高度な危機管理能力、武術、そして状況を冷静に判断するプロフェッショナルなスキルが求められます。
私は今、三重県のある工場の中で警備員をしています。いわゆる上で言う施設業務に該当しますね
この施設業務は当然、立っているだけではなくて、来客の対応も求められますからコミュニケーション能力も必須になります
私の場合、警備員の経験は皆無でしたが長年、営業をしてきたので、それが非常に役立ちました
このように、警備員の仕事は「立っているだけ」では到底務まりません。
むしろ、社会の安全と秩序を保つために、専門スキルと責任感を持って日々業務にあたっているのです。
AI時代にこそ輝く「人の目」と「人の判断」
近年、AIや監視カメラ、センサーなどのテクノロジーが進化し、警備の現場でも活用が進んでいます。
しかし、どれだけ技術が発展しても、「人の目」と「人の判断」に勝るものはありません。
- AIが異常を検知しても、それが何を意味するのか、どう対応すべきかを最終的に判断するのは人間です。
- 人混みの中での微妙な異変、トラブルの予兆など、データだけでは捉えきれない「空気」を察知できるのは人間だけです。
- 緊急時における避難誘導や救護活動など、人に対する温かい対応は、AIにはできない「人間ならではの価値」です。
警備員は、人間だからこそできる「最後の砦」として、その重要性を増しているのです。
近年では女性の警備員も増えています
それほど体力の使う仕事ではありませんし、女性ならではの、きめ細やかな視点で活躍している女性警備員も、沢山います
50代警備員の年収は?
「警備員って若い人が少ないイメージだけど、50代でもちゃんと稼げるの?」
そんな疑問をお持ちの方もいるでしょう。
確かに警備業界は幅広い年齢層が活躍していますが、年収に関してはいくつかの特徴が見られます。
50代警備員の年収の実態
警備員の年収は、地域、勤務形態(正社員、契約社員、アルバイトなど)、警備会社、担当する業務内容、そして経験や資格によって大きく変動します。
一般的に、日本の警備員の平均年収は、正社員で300万円〜400万円台と言われています。
しかし、これはあくまで平均値であり、50代の場合、以下のような傾向が見られます。
ちなみに私は、未経験・資格なしで60歳で警備員になりましたが私の場合も上記の通り、年収で言うと300万を少し超える程度になります
これが多いのか?少ないのか?は個人的な見解も違いますし、会社・現場によって業務の煩雑さも違いますから一概には言えません
-
未経験・資格なしの場合: 50代で警備業界に初めて足を踏み入れる場合、最初は200万円台後半から300万円台前半からのスタートとなるケースが多いです。これは、経験が浅く、専門資格を持っていないためです。
-
経験者・資格ありの場合: 長年の警備経験を持つ方や、警備業務検定1級・2級、指導教育責任者などの国家資格を保有している方は、年収が400万円以上になることも珍しくありません。特に、大規模施設や特殊な業務を担当できる人材は、より高い評価を受けます。
-
役職者・管理職の場合: 現場の警備員から、隊長、シフトリーダー、あるいは営業所長などの管理職に昇進すると、年収は格段に上がります。50代でこういった役職に就いている場合は、500万円を超える年収も十分に可能です。
50代で警備員になるメリットとデメリット
【メリット】
- 安定した需要: 高齢化社会や防犯意識の高まりにより、警備員の需要は非常に高く、年齢に関わらず求人があります。
- 経験が活かせる: 前職での社会人経験やコミュニケーション能力が、警備業務に活かされる場面は多いです。
- 定年後の再雇用: 多くの警備会社では、定年後も継続して働ける再雇用制度を設けており、長く安定して収入を得たい方には魅力的です。
- 体力的な負担の少ない業務も: 監視業務や受付業務など、比較的体力的な負担の少ない業務を選ぶことも可能です。
私の場合は工場内での施設警備ですから、交通誘導のように気温に悩まされることは有りません
体力的な衰えが感じられる60歳での入社でしたが、今のところ疲れは殆ど感じません
【デメリット】
- 未経験だと最初は年収が低い可能性: 経験や資格がない場合、最初は希望する年収に届かないことがあります。
- 体力的な厳しさ: 夜勤や立ち仕事が多い業務の場合、体力的な負担を感じる人もいます。
- 若手とのギャップ: 若い世代とのコミュニケーションや、新しい技術への順応が求められることもあります。
警備員の給料は上がらないのか?
「警備員の給料って、結局上がらないんでしょ?」
諦めるのはまだ早いです。決して昇給の道が閉ざされているわけではありません。
給料が上がりにくいと言われる要因と現状
- 人件費が主要コスト: 警備業は人件費が事業コストの大部分を占めるため、単価を上げにくいという構造的な課題があります。
- 業務の「見える化」の難しさ: 警備業務の成果は「事件が起きなかったこと」であり、その価値が数値として見えにくいため、評価や報酬に反映されにくい側面があります。
- 業界全体の賃金水準: 比較的参入障壁が低いことや、人材が豊富であることから、賃金水準が他の専門職に比べて低い傾向があります。
しかし、これはあくまで一般的な傾向であり、企業努力や個人の能力によって状況は大きく変わります。
年収アップを叶えるための具体的な行動
警備員として年収を上げるためには、以下のポイントを意識して行動することが重要です。
-
国家資格の取得: 最も効果的なのが、警備業務検定(施設警備、交通誘導警備など)や警備員指導教育責任者などの国家資格を取得することです。これらの資格は、業務の幅を広げ、特定の業務に就くための必須条件となることが多いため、資格手当や基本給アップに直結しやすいです。
-
経験を積む: 現場での経験は、何よりも貴重な財産です。様々な現場を経験し、緊急時の対応能力や危機管理能力を高めることで、会社からの評価も上がり、より責任あるポジションを任されるようになります。
-
コミュニケーション能力の向上: 警備の仕事は、施設利用者、他部署の社員、警察、救急隊員など、多くの人との連携が求められます。円滑なコミュニケーション能力は、業務をスムーズに進めるだけでなく、信頼関係を築き、あなたの評価を高める要素となります。
これは警備員だけではなく、どの仕事にも当てはまる事柄です
要は、今の自分に満足することなくレベルアップしていく覚悟と行動力があれば道は自然と拓けます
警備員の将来性は明るい
AIやロボットによる警備が進化する中でも、「人の警備員」の需要がなくなることはありません。
むしろ、テクノロジーがカバーできない領域、例えば複雑な人間関係が絡むトラブル対応、感情を持った相手へのきめ細やかな配慮、突発的な災害時の冷静な判断と誘導など、「人間だからこそできる警備」の価値は、今後さらに高まっていくでしょう。
警備員は、単なる監視者ではなく、「安心」を提供し、「命」と「財産」を守る、社会にとってなくてはならない存在です。
そして、自身のスキルアップと努力次第で、年収を上げ、キャリアを築いていける、未来ある仕事なのです。